昨年12月2日に公布された「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」及び本年3月31日に公布されました「租税特別措置法等の一部を改正する法律案」(平成24 年度税制改正法案)により、平成24年4月以降の税制改正が決定しました。「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」については(23/12経済)と注記しています。その内容の重要ポイントをダイジェスト版でお知らせします。

中小法人とは、資本金または出資金が1億円以下の法人です。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限の延長
中小企業者等が30万円未満の少額減価償却資産を取得した場合の合計額300万円を限度とした即時償却制度の適用期間が2年間延長されました。

中小企業等投資促進税制の適用期限の延長と対象資産の範囲の追加
中小企業者等が特定機械装置等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別税額控除制度について、対象資産の範囲を見直した上で、2年間延長されました。

青色繰越欠損金の控除期間(23/12経済)
資本金1億円以下の中小法人で、青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間について、平成20年4月1日以降に終了した事業年度に生じた欠損金は、控除可能な繰越期間が7年から9年に延長されます。
また、資本金1億円を超える大法人では、控除できる上限が80%となります。
なお、繰越期間を9年に延長することに伴い、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存も9年に延長されます。


【所得税】

復興特別所得税(23/12経済)
法人税と同様に所得税にも復興特別税が平成25年分から課されるようになります。法人税は3年間ですが、所得税は平成49年分までの24年間です。具体的には、現在の所得税額の2.1%相当額が上乗せされます。

給与所得控除の上限設定
給与所得者にも給与所得控除額として、給与等の収入金額に応じて一定の金額を必要経費相当額として認めています。従来は、給与等の収入金額が増加すると、控除額も増加する仕組みでした。しかし、平成25年分以後は上限が設けられました。具体的には、給与等の収入金額が1500万円以下の場合は従来通りですが、給与等の収入金額が1500万円超の場合は、245万円を頭打ちにします。

③?特定支出控除の見直し
上記の②の給与所得控除額に代えて、給与所得者に事業者のように一定の必要経費を控除することを認めていました。しかし、必要経費になるものが通勤費・転居費・研修費・単身赴任者の帰宅旅費など限定されており、実際にこの制度を使って確定申告をしている給与所得者は全国で10人もいないと言われるほど活用されていませんでした。平成25年分以後、必要経費となるものの範囲を広げ、上記のほかに職務遂行に直接必要な資格取得費・職務関連図書購入費・職場で使用する衣服費・職務に通常必要な交際費などが上限金額65万円として認められるようになります。

役員退職手当等に係る退職所得の課税方法の見直し
役員等としての勤続年数が5 年以下の者が、支払を受ける退職手当等に係る課税方法を、現行の(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2)を、(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)の金額に相当する金額と1/2にしないことになります。退職所得控除額とは、勤続期間20年以下の場合40万円×勤続年数で計算した額です。平成25年分以後について適用されます。

住宅税制
住宅ローン減税制度も、一部手直しして継続されます。

国外財産調書の提出制度の創設
所得税ではありませんが、個人についての制度創設ですので、この項で説明します。
居住者(個人のことです。)が、その年の12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合は、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、翌年3月15日までに、所轄税務署長へ提出することが義務付けられます。平成26年1月1日以後に提出すべき調書に適用されます。


【その他】

消費税・・・現在、国会にて審議中です。
平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等については、消費税率を8%とする。
平成27年10月1日以後に行われる資産の譲渡等については、消費税率を10%とする。
以上のように改正される予定ですが、現状では不明です。

相続税・・・昨年の改正案では、相続税を計算するときの基礎控除額を現状の60%に引き下げることとされていました。しかし、東日本大震災の発生で廃案となり、現状では平成27年1月1日以降に発生する相続から適用するように審議中です。その際、死亡生命保険金の非課税限度額の見直し・未成年者控除額や障害者控除額の引き上げも同時に審議中です。