平成25年1月以降の復興特別所得税について
平成23年12月2日に東日本大震災からの復興のための
施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法が公布され、
「復興特別所得税」及び「復興特別法人税」が創設されました。
復興特別所得税は、来年1月より適用されます。今回は、その注意点をお知らせします。
復興特別所得税とは、所得税に復興特別税が平成25年分から課されるようになります。
課税期間は平成49年分までの24年間です。
具体的には、現在の所得税額の2.1%相当額が上乗せされます。
① 給与から控除する源泉所得税の変更
平成25年1月より支払う従業員の給与に対する源泉所得税が変更になります。
具体例として、独身で月額20万円の給与を支給している従業員
平成24年12月分の源泉税は 4,670円
平成25年1月分の源泉税は 4,770円 と2.1%増加します。
税務署から郵送された「年末調整資料」に新しい源泉徴収税額表が同封されています。
必ず確認ください。
② 報酬・料金の源泉所得税
弁護士・税理士に支払う業務に対する報酬から、
支払者は一部源泉所得税を徴収する必要があります。
また、講演料や原稿料についても同 様に源泉税を徴収しなければなりません。
ア) 弁護士・税理士への報酬支払例
平成24年12月まで 平成25年1月以降
報酬額 500,000円 報酬額 500,000円
源泉税(10%) ▲ 50,000円 源泉税(10.21%)▲51,050円
消費税 25,000円 消費税 25,000円
差 引 475,000円 差 引 473,950円
イ) 講演料・原稿料の支払例
講演料などは、よく1並びというように、
支払額を10万円として源泉税を逆算する場合が多くみられます。
通常の支払は、上記例に倣って計算ください。
平成24年12月まで 平成25年1月以降
報酬額 111,111円 報酬額 111,370円
源泉税(10%) ▲ 11,111円 源泉税(10.21%)▲11,370円
支払額 100,000円 差 引 100,000円
計算式
平成24年12月までは、支払額÷(1-0.1=0.9)=報酬額
平成25年1月以降は、 支払額÷(1-0.1021=0.8979)=報酬額
上記の例示は、100,000円÷0.8979=111,370円という計算です。
③ 預金利息や配当などの源泉所得税及びその会計処理
銀行の預金利息は、源泉税15%と地方税5%を控除して支払われます。
よって平成24年12月までに振り込まれた利息は、振込まれた利息を0.8で割戻して、
端数を切り捨てた金額の15%が国税の源泉税、5%が県税の利子割額でした。
しかし、平成25年1月以降は、国税の源泉税が15%×1.021=15.315%、
5%が県税の利子割額となり合計20.315%の税金です。
よって1-0.20315=0.79685で割戻した金額が受取利息となります。
(例)
平成24年12月まで
振込まれた利息 8,000円
国税 源泉税 1,500円
県税 利子割 500円
受取利息 10,000円
平成25年1月以降
振込まれた利息 8,000円
国税 源泉税 1,537円
県税 利子割 501円
受取利息 10,038円
上場企業の配当金については、従来7%の源泉税が控除されていましたが、
今後は7.147%(7%×1.021)の源泉税が控除されます。
また、会社で株主に配当する場合は、従来20%の源泉税を控除していましたが、
今後は20.42%(20%×1.021)の源泉税を控除する必要があります。